【初心者向け】狭い・モノが多いキッチンでも美味しく!料理動画の照明とアングル実践テクニック
美味しそうな料理動画を撮りたいけれど、キッチンが狭くて撮影スペースが限られている、あるいは調理器具や材料が多くて雑然として見えてしまう、そんなお悩みをお持ちではありませんか?
料理動画の撮影において、照明とアングルは美味しさを伝えるための重要な要素ですが、限られた空間では思い通りの撮影が難しいと感じることもあるかもしれません。しかし、高価な機材を使わなくても、いくつかの簡単な工夫をすることで、狭いキッチンでも魅力的な料理動画を作成することが可能です。
この記事では、狭いキッチンやモノが多い環境で、料理の「美味しさ」を効果的に引き出すための照明とアングル実践テクニックをご紹介します。
狭い・モノが多いキッチンで撮影が難しくなる理由
なぜ狭いキッチンやモノが多い場所での撮影は難しいのでしょうか。主な理由は以下の通りです。
- 照明の課題:
- 光源(窓や照明器具)の位置が限られるため、影ができやすい。
- 壁や周りのモノが近く、意図しない反射や映り込みが生じやすい。
- 十分な光を確保しにくい場合がある。
- アングルの課題:
- カメラ(スマートフォンなど)を設置できる場所が少なく、画角やアングルが制限される。
- 画面に余計なモノ(調理器具、背景のごちゃつき)が映り込みやすい。
- 料理全体や手元の作業を同時に捉えるのが難しい。
これらの課題を克服するために、これからご紹介するテクニックをぜひ活用してみてください。
狭いキッチンで美味しさを引き出す照明テクニック
限られたスペースでも、光を効果的に使うことで料理の見た目は大きく変わります。
1. 自然光を最大限に活用する
窓からの自然光は、料理を柔らかく美味しそうに見せる最適な光源です。
- 窓際を撮影スペースにする: 可能であれば、窓の近くをメインの撮影場所として確保しましょう。
- 光の向きを意識する: 窓からの光が「サイド光(横からの光)」になるように、窓に対して横向きに料理を配置するのがおすすめです。立体感や食材のツヤが出やすくなります。「逆光(窓を背にして撮る)」も、湯気や飲み物の透明感を出すのに効果的ですが、料理全体が暗くなりやすいので調整が必要です。
- 光を和らげる: 窓からの光が強すぎる場合は、レースのカーテン越しに撮るか、白い薄い布などを窓に貼る、あるいは料理と窓の間に白い布や紙を立てて光を拡散させると、より柔らかい光になり影が目立ちにくくなります。これは高価なディフューザーの代わりになります。
2. 身近なもので簡単なレフ板を作る
光を反射させて影を薄くしたり、明るさを補ったりするレフ板は、狭い場所でも非常に役立ちます。
- 白い紙や段ボール: 白い厚紙や、内側が白い段ボールを開いたもの、白い発泡スチロールなどがレフ板として使えます。光源(窓や照明)と反対側に置いて、光を料理に跳ね返すように角度を調整してみてください。
- アルミホイル: アルミホイルをクシャクシャにしてから軽く広げ、厚紙に貼り付けたものは、より強い光を反射させたい場合に有効です。ただし、反射が強すぎると不自然になることもあるので、様子を見ながら使いましょう。
- 設置場所の工夫: 狭い場所では、レフ板を立てかける場所がないこともあります。カメラの近くに置いたり、誰かに持ってもらったり、洗濯バサミなどでどこかに仮止めしたりと工夫が必要です。
3. 最低限の照明器具を効果的に使う
自然光だけでは不十分な場合や、夜間に撮影する場合は照明器具が必要です。狭いキッチンでは、設置場所を取らないコンパクトなものが適しています。
- クリップライト: テーブルの端や棚などに挟んで使えるクリップライトは、場所を取らずに設置でき、向きも自由に調整しやすいので便利です。明るさや色(電球色か昼白色か)を選べるものだとより良いでしょう。料理の色を自然に見せるためには、一般的に「昼白色」や、少し温かみのある「温白色」などがおすすめです。
- リングライト: スマホを取り付けるリングライトは、顔だけでなく料理撮影にも使えます。正面からの光になるため影ができにくいですが、立体感は出にくい傾向があります。スマホに固定できるタイプは場所を取らず便利です。
4. 影の処理に気を配る
狭い空間では、手や調理器具、周りのモノの影が料理にかかりやすくなります。
- 光源の位置を調整するか、前述のレフ板を使って影を薄くすることを試みてください。
- 撮影する角度やカメラの位置を少し変えるだけで、影の映り込みを避けることができる場合もあります。
狭いキッチンで美味しさを引き出すアングルテクニック
アングルは、料理の魅力や空間の印象を大きく左右します。限られた場所でも、効果的なアングルを見つけましょう。
1. カメラの位置と高さを工夫する
- 三脚の活用: 可能であれば、コンパクトな卓上三脚や、アーム式のスマホホルダーなどを使ってカメラを固定しましょう。手ブレを防ぎ、安定したアングルで撮影できます。狭い場所では、床置きの大きな三脚は邪魔になることがあるため、テーブルやカウンターに設置できるタイプがおすすめです。
- 真上からのアングル(俯瞰): テーブル全体や盛り付けを捉えるのに人気の真上からのアングルは、周りのモノが映り込みにくく、狭さを感じさせにくい効果があります。ただし、真上から撮るためにはカメラを固定する工夫が必要です(例えば、キッチンカウンターの上の棚から吊るす、専用のアームを使うなど)。
- 斜め上からのアングル: 一般的な料理写真でも使われるこのアングルは、料理の立体感とテーブルの雰囲気の両方を適度に捉えられます。狭い場所では、料理と背景のバランスが重要になります。
2. 背景の映り込みを避ける・整える
狭い場所で撮影すると、どうしても周りの雑然とした様子が映り込みやすくなります。
- 映り込みを避ける位置取り: カメラや料理の位置を微調整して、不要なものが画角に入らないようにします。壁を背景にするのが最もシンプルです。
- シンプルな背景を作る: シンプルな布(テーブルクロスやランチョンマットなど)、きれいな板、白い紙などを料理の後ろや下に敷くだけで、背景がすっきりし、料理が引き立ちます。身近にあるものを活用しましょう。
- 背景をぼかす(被写界深度の活用): スマートフォンのポートレートモードを使ったり、料理にぐっと近づいて撮影したりすることで、背景を意図的にぼかすことができます。背景がボケると、料理にピントが合い、周りのごちゃつきが目立たなくなります。ただし、スマホのポートレートモードは不自然になることもあるので、テスト撮影で確認しましょう。
3. 料理の種類や工程に合わせたアングル
- 完成品: 盛り付けの美しさや全体のバランスを見せるなら、斜め上からや真上からのアングルが効果的です。
- 調理中の手元: 包丁で切る、混ぜる、盛り付けるといった手元作業を見せる際は、手元がはっきり映るように、やや斜め上や真横からのアングルで、手元にピントを合わせるように意識しましょう。狭い作業スペースを全て見せるのではなく、必要な部分だけを切り取るイメージです。
- シズル感(湯気、ツヤなど): 湯気を撮る場合は、やや逆光気味のアングルで、湯気が光に透けるように撮ると効果的です。料理のツヤを出すには、ツヤを出したい部分に光が当たるような角度を探しましょう。
実践する上でのポイント
- 最低限の片付け: 撮影スペースとなる場所だけでも、余計なモノを片付け、きれいに拭いておきましょう。これだけでも見た目が大きく変わります。
- テスト撮影を必ず行う: 本番の撮影前に、必ず何度かテスト撮影を行いましょう。照明の当たり方、影、アングル、背景の映り込みなどを確認し、調整してください。特に狭い場所では、少しの位置調整が大きな違いを生むことがあります。
- 安全第一: 熱い鍋や油、濡れた場所など、キッチンの危険な場所での撮影には十分注意してください。無理な体勢での撮影は避けましょう。
まとめ
キッチンが狭かったり、モノが多かったりしても、料理動画で美味しさを伝えることは十分に可能です。窓からの自然光、身近な白い布や紙、コンパクトな照明器具などを効果的に使い、カメラのアングルを工夫することで、限られたスペースでも料理の魅力は最大限に引き出せます。
今回ご紹介したテクニックは、どれもすぐに実践できる簡単なものばかりです。ぜひあなたのキッチンで試して、視聴者の食欲をそそる美味しそうな料理動画制作に役立ててください。