【初心者向け】トマトの赤、野菜の緑、お肉の焼き色!料理動画で「美味しそうな色」を出す簡単テクニック
美味しさが伝わる料理動画を作る上で、料理の色は非常に重要な要素です。食欲をそそる鮮やかな赤、みずみずしい緑、香ばしい茶色など、色が持つ力は見る人に料理の魅力をダイレクトに伝えます。しかし、「撮ってみたら色がなんだか沈んで見える」「実際の料理より美味しそうに見えない」と感じた経験はありませんか?
この記事では、特に料理に多く使われる「赤」「緑」「茶色」の3つの色に焦点を当て、それぞれの色をより美味しそうに見せるための、照明とアングルに関する初心者向けの簡単なテクニックをご紹介します。高価な機材は必要ありません。お手持ちのスマートフォンや身近なものを活用して、料理の色を劇的に良く見せる方法を学びましょう。
なぜ料理の色を意識することが重要なのか
人間は視覚から得る情報に強く影響されます。特に料理においては、色によって新鮮さ、熟成度、調理加減などを判断します。例えば、トマトの鮮やかな赤は「新鮮さ」や「甘み」を、ほうれん草の濃い緑は「栄養豊富さ」や「みずみずしさ」を、お肉のきれいな焼き色は「香ばしさ」や「火の通り具合」を連想させます。
料理の色が動画で正確に、そして魅力的に表現されていれば、視聴者はその料理がどれだけ美味しいかを直感的に感じ取ることができます。逆に、色がくすんでいたり、不自然だったりすると、どんなに美味しい料理でも魅力が半減してしまう可能性があります。だからこそ、色を意識した撮影テクニックが重要になるのです。
美味しそうな色を出すための基本の考え方
料理の色を美味しそうに見せるためには、主に「光の質(色と柔らかさ)」と「光の向き」が重要です。
- 光の質: 自然光が最も料理の色をきれいに写しやすい光です。もし照明を使う場合は、太陽の光に近い色(白色、昼白色)を選びましょう。蛍光灯の色(緑っぽい、青っぽい)は料理の色を不自然にしてしまうことがあります。また、柔らかい光(光が広い範囲から当たっている状態)は影を優しくし、料理の色や質感を自然に見せやすいです。
- 光の向き: 光をどこから当てるかで、料理の見え方や色が大きく変わります。真上からの光は影がきつくなり、色が沈んで見えることがあります。斜め上や横からの光(サイド光)は立体感やツヤを出しやすく、色を鮮やかに見せる効果があります。
【実践】色別!美味しさを引き出す照明とアングル
それでは、具体的な色ごとのテクニックを見ていきましょう。
1. 鮮やかな「赤」を出すテクニック(トマト、パプリカ、肉、ベリーなど)
赤色は、食欲をそそる代表的な色です。鮮やかで瑞々しい赤を出すには、光の当て方が鍵となります。
- 照明/光の当て方:
- サイド光の活用: 真横から少し斜め上からの光を当てることで、立体感が出て赤色が際立ちます。特に肉の表面の照りや、トマトの皮のツヤを出しやすくなります。
- 逆光+レフ板: 料理の奥側から光を当て、手前に白い布やレフ板(白い厚紙でもOK)を置いて光を跳ね返す方法も効果的です。逆光は食材を透き通らせて鮮やかさを増し、レフ板でできた影を明るくすることで自然な明るさになります。
- 光の色温度: 白っぽい光(昼白色など)を使うと、赤色が鮮やかに見えやすいです。黄色っぽい光は色がくすむ原因になることがあります。
- アングル:
- 食材そのものに寄る: トマトの断面や肉の焼き加減が分かるように、少し寄ったアングルで撮影すると、赤色の魅力が伝わりやすいです。
- 立体感を意識: 赤い食材が盛り付けられている場合は、食材の重なりや丸みが分かるような角度から撮ると、より美味しそうに見えます。
2. みずみずしい「緑」を出すテクニック(葉物野菜、ハーブ、アボカドなど)
緑色は、新鮮さやヘルシーさを伝える色です。緑のみずみずしさや鮮やかさを出すには、光の質が重要です。
- 照明/光の当て方:
- 柔らかい光を使う: 強い直射光は緑色を白っぽく飛ばしてしまったり、影をきつくしてくすませたりすることがあります。レースのカーテン越しの自然光や、トレーシングペーパー、白い布などで光を拡散させた柔らかい光を使うと、緑色が優しいトーンでみずみずしく写ります。
- 光の色温度: 少し青みがかった光(昼光色など)が緑色を鮮やかに見せると言われることがありますが、不自然になりすぎることもあるため、自然光か白色(昼白色)の光を柔らかく使うのがおすすめです。
- アングル:
- 葉脈や質感を捉える: 葉物野菜なら葉脈や表面の質感が分かるような角度、アボカドならとろりとした質感が伝わるようなアングルで撮影すると、緑色の魅力が引き立ちます。
- 上からのアングル: サラダなど、様々な種類の緑が集まっている料理は、少し上からのアングルで全体の色合いを見せると美味しさが伝わります。ただし、真上すぎると影に注意が必要です。斜め上からのアングルを試してみましょう。
3. 香ばしい「茶色」を出すテクニック(焼き物、揚げ物、煮込み料理など)
茶色は、火の通り具合や香ばしさ、煮込みの深みを伝える色です。美味しそうな茶色(焼き色や照りなど)を出すには、立体感とツヤがポイントです。
- 照明/光の当て方:
- サイド光で立体感を出す: パンの焼き目や揚げ物の衣、お肉の表面など、茶色の部分は凹凸があります。横からの光(サイド光)を当てることで、その凹凸に影がつき、立体感が強調されて香ばしさが伝わりやすくなります。
- 照りを活かす逆光や斜め逆光: 煮込み料理の表面の照りや、タレのついた肉のツヤなどは、料理の奥側や斜め奥側から光を当てることで、光が反射してキラキラと輝き、美味しそうに見えます。手前にレフ板を置いて影を補正すると、よりきれいに撮れます。
- アングル:
- 質感が分かるアングル: 揚げ物の衣のサクサク感、煮込みのとろみ、焼き目の香ばしさなどが伝わるように、質感がよく見える角度を探しましょう。少し寄ったアングルや、手元で調理している様子(切る、混ぜるなど)を写す際に、その色が際立つように意識するのも良い方法です。
- 深みを出すアングル: 煮込み料理などは、器に盛り付けられた際の深みや色合い全体が見えるようなアングルも効果的です。
実践する上での注意点と改善策
- 色が飛んでしまう/暗すぎる: 光が強すぎると色が白く飛んでしまい、弱すぎると色が沈んでしまいます。窓から離れる、照明の明るさを調整する、光を拡散させるものを挟む(白い布など)ことで明るさを調整しましょう。
- 色が不自然になる: スマートフォンの設定で「ホワイトバランス」が自動になっているか確認しましょう。異なる種類の照明(自然光と蛍光灯など)が混ざると、色が不自然になることがあります。できるだけ同じ種類の光を使うか、自然光のみで撮影するのがおすすめです。
- 背景の色にも注意: 料理の色を引き立てるような背景色を選びましょう。派手すぎる色や、料理の色と同化してしまうような色は避けるのが無難です。身近にある白いテーブルクロスや木目調のボードなどが使いやすいでしょう。
まとめ
料理動画で「美味しそうな色」を効果的に見せることは、視聴者の食欲を刺激し、動画の魅力を格段に向上させます。特に赤、緑、茶色といった代表的な色を意識し、光の質や向き、そしてアングルを少し工夫するだけで、料理の見え方は大きく変わります。
今日ご紹介したテクニックは、どれも身近なものやスマートフォンで実践できる簡単なものばかりです。ぜひ、ご自宅で料理動画を撮影する際に、これらのポイントを意識してみてください。料理の色が美味しそうに写るようになったら、動画制作がもっと楽しくなるはずです。色の力を最大限に引き出して、見る人が思わず「食べたい!」と思うような、魅力的な料理動画を目指しましょう。