初心者向け!鍋やフライパンの調理中を美味しく撮る照明とアングルテクニック
料理動画を作成されている皆さん、こんにちは!「美味しさ伝わる!料理動画テクニック」編集部です。
料理動画の中でも、鍋でコトコト煮込む様子や、フライパンでジュージューと炒める音、湯気とともに立ち上る香りが伝わってきそうな映像は、視聴者の食欲を刺激する重要な「見せ場」ですよね。しかし、「いざ撮ってみると、なんだか暗い」「湯気が白飛びしてしまう」「中身が美味しそうに見えない」といったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、特別な機材がなくても、ご自宅にあるものや手軽に手に入るものを使って、鍋やフライパンでの調理シーンを格段に美味しそうに撮影するための、照明とアングルの実践テクニックをご紹介します。この記事を最後までお読みいただければ、あなたの料理動画の「シズル感」がアップし、見る人を惹きつける魅力的な映像を撮れるようになりますよ。
鍋やフライパンの中身がなぜ重要なのか?
完成した料理を綺麗に撮ることも大切ですが、調理中の様子、特に鍋やフライパンの中身は、料理の「過程」や「ライブ感」を伝える上で非常に効果的です。煮え立つ様子、炒め物の色合いの変化、具材に火が通っていく過程などは、料理の美味しさや作り手の技を感じさせるポイントです。ここを美味しそうに撮ることで、動画全体の質が向上し、視聴者の期待感を高めることができます。
美味しさ伝わる!照明の基本テクニック
鍋やフライパンの中は、キッチンの中でも比較的暗くなりがちな場所です。適切に光を当てることで、具材の色や質感を際立たせ、湯気を美しく捉えることができます。
自然光を活かす方法
もし可能であれば、窓からの自然光を活用するのがおすすめです。鍋やフライパンを窓の近くに移動させ、窓からの光が斜め横、または少し後ろから当たるように配置してみましょう。
- 効果: 斜め後ろからの光(逆光気味)は、湯気や油のツヤを美しく浮かび上がらせ、シズル感を演出するのに非常に効果的です。横からの光は、具材の立体感を出しやすくなります。
- 注意点: 窓からの光が強すぎると、中身が白飛びしたり、影がきつくなりすぎたりすることがあります。レースのカーテンなどで光を和らげたり、後述するレフ板で影を調整したりすると良いでしょう。
身近なものでできる簡単ライティング
自然光が使えない場合や、光を補いたい場合は、ご家庭にあるもので簡単にライティングを改善できます。
- 白い布や紙を使う: 鍋やフライパンの反対側に、白い布や大きめの白い紙(模造紙や白い段ボールなど)を置いてみましょう。これは「レフ板」の代わりになります。光源からの光を反射させて、暗くなりがちな部分(特に手前側の具材や鍋の影)を明るくし、全体の明るさのバランスを整えることができます。
- デスクライトを活用する: ご家庭にあるデスクライトやスタンドライトを、鍋・フライパンに向けてみましょう。この際も、真上からではなく、斜め横や斜め後ろから当てることを意識すると、湯気やツヤが綺麗に映ります。ただし、電球の色によっては料理の色が不自然に見えることがあるため、色温度を調整できるLEDライトがあれば最適ですが、まずは手持ちのもので試してみてください。
光の向きと強さの調整
- 強すぎる光: 光が強すぎると、鍋の中が白飛びしたり、湯気が真っ白になってしまったりします。光源を少し離すか、白い布やトレーシングペーパーなどを光と料理の間に挟んで光を拡散させると、柔らかい光になり、具材の色や質感が自然に見えます。
- 暗すぎる: 光が足りないと、中身が沈んで見え、美味しさが伝わりません。光源を追加するか、レフ板をうまく使って光を回しましょう。
- 影の処理: 鍋のフチや調理器具によってできる影も、時には立体感を出すのに役立ちますが、中身が見えにくくなるような大きな影は避けたいものです。レフ板を使って影を明るくしたり、補助光を使ったりして調整してください。
魅力的なアングルテクニック
鍋やフライパンの中身を撮る際のアングルは、何を最も見せたいかによって使い分けることが重要です。
真上からのアングル
鍋やフライパンの真上からカメラを構えるアングルです。
- 効果: 鍋やフライパン全体の中身、具材の種類、彩りなどを俯瞰的に見せたい場合に適しています。具材が均等に配置されている様子や、全体のバランスを伝えるのに良いでしょう。煮込み料理や、具材を綺麗に並べた炒め物などに有効です。
- 注意点: このアングルだけだと平面的な印象になりがちです。また、湯気が立ち上っている様子は捉えにくいことがあります。火元から離れて安全に十分配慮して撮影してください。スマートフォンなどを固定できるアームスタンドなどがあると便利です。
斜めからのアングル
鍋やフライパンの斜め上から、覗き込むようなアングルです。
- 効果: 具材の立体感や、煮込み具合のトロみ、油のツヤなどを伝えやすいアングルです。湯気が手前に立ち上ってくる様子も捉えやすく、シズル感を演出するのに最もよく使われます。調理中の手元と中身を一緒に見せるのにも適しています。
- カメラの高さと距離: 高すぎると全体が小さく見え、低すぎると鍋のフチが邪魔になったり、画角が狭すぎたりします。中身が一番美味しそうに見える高さと距離を探してみてください。スマートフォンであれば、三脚やミニ三脚を活用すると安定します。
被写界深度(ボケ感)の活用
スマートフォンのポートレートモードなどを活用すると、手前や奥をぼかして鍋・フライパンの中身に焦点を当てることができます。
- 効果: 料理が際立ち、見る人の視線を自然に誘導できます。特に、具材の一部をクローズアップしたい場合や、背景の映り込みを減らしたい場合に効果的です。
- 簡単なやり方: スマートフォンのカメラアプリで、ポートレートモードや背景ぼかし機能を選び、鍋・フライパンの中身、特に見せたい具材にピントを合わせます。機種によっては、ピントを合わせた後にボケ具合を調整できるものもあります。
視聴者の目線を意識したアングル
動画を見ている人が「自分が料理しているような」「食欲をそそられるような」感覚になれるアングルを意識しましょう。調理中の手元を程よく入れたり、煮え立つ瞬間にぐっとカメラを近づけたりするなど、見る人がまるでその場にいるかのような臨場感を出す工夫が有効です。
実践のポイントとよくある失敗
- 湯気を美しく撮る: 湯気を際立たせるには、暗い背景を使い、斜め後ろからの光を当てるのが効果的です。湯気が白飛びする場合は、光の強さを調整するか、湯気が出ている部分の露出(明るさ)を少し下げてみましょう。
- 油ハネ対策: 炒め物などで油が跳ねやすい場合は、レンズに油が付かないように注意が必要です。保護フィルターを使ったり、レンズに付いた油はすぐに拭き取ったりしてください。安全のため、やけどにも十分注意しましょう。
- 調理の動きを捉える: 具材を混ぜる、ひっくり返す、ソースをかけるなど、調理の動きがある瞬間にフォーカスして撮影すると、動画に躍動感が生まれます。一番美味しそうに見える瞬間の少し前から撮影を始め、終わりまでしっかり捉えましょう。
- 失敗例:暗すぎる・白飛び: 照明の項目で触れた通り、光の量と質を調整することが基本です。光を足すか、和らげるかを試してみてください。
- 失敗例:ブレ: 手持ちで撮るとブレやすいため、可能な限り三脚やスタンドを活用しましょう。スマートフォンであれば、手ブレ補正機能を使うのも効果的です。
- 失敗例:見にくいアングル: 鍋のフチが邪魔で見たいものが見えない、具材が隠れてしまっている、といったアングルは避けるべきです。実際に動画を撮りながら、スマートフォンの画面でリアルタイムに確認し、最も中身が美味しそうに見える位置を探しましょう。
まとめ
鍋やフライパンの調理シーンは、料理動画の魅力を高める絶好のチャンスです。難しい技術や高価な機材は必要ありません。ご家庭にある自然光や身近なものを活用した照明、そして見せたいものに合わせたアングル選びを意識するだけで、あなたの料理動画は劇的に美味しそうになります。
この記事でご紹介したテクニックを参考に、ぜひ次回の料理動画撮影で試してみてください。一つずつ実践することで、きっと視聴者の皆さんが「美味しそう!」「作ってみたい!」と感じる素敵な動画が作れるはずです。あなたの料理動画作りを応援しています!